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2017年4月12日

顔料染め製品についての疑問 ・・・ 袖の線について

  • GOOD ON DIARY / グッドオンダイアリー

 

以前に顔料染め(Pigment Dye)について簡単にご説明しましたが、今回はその特性の一つとも言えるこの線↓↓について。ざっくりお話させて頂きます。

 

 

Good Onの製品をご愛用頂いているユーザーの皆さまは見覚えがあるかもしれませんが、顔料染めを用いた製品には袖や身頃の脇などに浮き出ている白い線状のものが見られます。

 

お客様からこれについてのお問合せや疑問を頂くこともあるのですが、これは顔料染め製品の量産時には必ず生じるもとなっていて、ネイビーやブラックなど濃色に染めた製品や、明るい色の製品ほど目立ちやすい傾向がありますが、基本的に全ての顔料染め製品に等しく見られるものとなります。

 

 

 

この白っぽく線状になっている箇所の内側は、同じく線状にやや色が濃くなっているのがポイントです。

これは製品を裏返した状態。↓↓

 

 

一つの製品につき約8時間にも及ぶ顔料染めの過程は、大量の製品を重ねた状態での高温の釜による染色や洗い、遠心機によって高速回転をかける脱水など、いくつもの過酷な工程の連続となっています。

 

これらの過程で、袖や身頃の脇などの内側には染料が多く溜まり、その外側には摩擦が多くかかるために生じるのがこの線です。

 

非常に難易度が高く手間ひまのかかる顔料染め製品の量産、販売を安定的に継続するためには避けることの出来ないものとなり、着用とお洗濯を繰り返していくうちに全体が色褪せしていくことで周りの色と馴染み、徐々に目立たなくなっていきますので、風合いを重視した顔料染め製品の特長としてご理解を頂ければ幸いです。

 

 

染色↓

 

 

脱水↓

 

 

乾燥↓

 

 

ごく限られた職人にしか出せない唯一無二の色合い。

Good Onならではの味がある顔料染めを、今年もバリエーション豊かな製品でお楽しみくださいませ。